
Delphi 25周年とC++Builder 23周年
Delphiがファーストバージョンリリースから25周年を迎えました。そして、C++Builderも発売から23周年となります。Delphiから遅れること2年。C++言語による真のビジュアルRADツールとして登場したC++Builderは、現在もそのユニークなポジションを堅持しています。
パワー vs 生産性
C++は、1983年にC言語のオブジェクト指向拡張として誕生したプログラミング言語です。エンバカデロでは、その前身となるボーランド時代から、Turbo C、Borland C++といった開発環境によって、C/C++言語をサポートしてきました。
C++には、豊富なライブラリや強力な言語機能、ネイティブコンパイラにより、高い性能のアプリケーションを構築できる「パワー」があります。しかし、一方でユーザーインターフェイスの設計やデータベースの利用などについては、多くのコーディングを要することが多く、C++の選択を躊躇する理由のひとつとなっています。言語のパワーをとるか、生産性をとるかの二者択一なのです。

エンバカデロのC++開発ツールには長い歴史があります。Turbo CやBorland C++といった製品は、C/C++言語、そしてオブジェクト指向プログラミングをリードしてきました。
C++Builderとは
C++Builderは、ビジュアル開発ツールDelphiの姉妹製品として1997年に最初のバージョンがリリースされました。C/C++言語のフル機能を利用できるにもかかわらず、Delphiと同様のビジュアル開発による生産性を享受できる唯一のツールというポジションは、今も変わりません。
C++Builderには、コンポーネントフレームワークが搭載されています。コンポーネントは、そのまますぐに使える、ビジュアル操作で開発ができるという点が、クラスとは異なります。ユーザーインターフェイスやデータアクセスをコンポーネントのドラッグ&ドロップによって効率よく開発し、必要なコードをC++で記述するという開発スタイルが可能です。
C++のコーディングにおいても、Clang/LLVMベースのC++17準拠コンパイラを搭載し、既存のコード資産やライブラリを活用した、パワフルなプログラミングをサポートしています。ビジュアル開発の生産性とC++のパワーの両立。それがC++Builderの最大の特長です。
C++Builderの概要
最新のC++Builderは、マルチデバイス開発に対応。C++の強力な言語機能を用いながら、ビジュアル開発の生産性を多様なデバイス向けに活用できます。
VCL – Windows向けネイティブ開発の最強フレームワーク
VCL(Visual Component Library)は、Delphiに搭載されたWindows向けのコンポーネントライブラリです。C++Builderでは、このコンポーネントライブラリを利用できるように言語拡張を行い、C++によるオブジェクト指向プログラミングの機能の一部として、コンポーネントによる開発を実現しています。
VCLは、Windows APIやプラットフォームコントロールをカプセル化し、数多くのカスタムコントロールを提供しています。また、データアクセスやロジックなどもコンポーネントとして提供されており、ビジュアル開発による生産性をさまざまな場面で享受できます。
VCLは、最新のWindows 10もサポートしており、機能強化が続けられています。VCLにはスタイル機能も用意されており、モダンなUIの構築をサポートしています。わずかなコード修正だけで、古いWindowsのルック&フィールを、モダンなWindows 10スタイルに刷新できます。
GUIアプリケーション構築にC++BUILDERが最適な理由
VCLには、Windows向けの機能豊富なコンポーネントが多数用意されています。開発者は、わずかなコード量で高度なユーザーインターフェイスを構築可能。スタイルにも対応しており、ルック&フィールも柔軟に変更できます。
FireMonkey - クロスプラットフォーム開発を実現
FireMonkeyは、DelphiおよびC++Builderでマルチデバイス開発を支えるアプリケーションフレームワークで、Windows、macOS、Android、iOS向けネイティブアプリケーション開発を可能にします。開発者は、単一コードベースで、これらのプラットフォーム向けの高性能アプリケーションを構築することができます。
FireMonkeyは、他のクロスプラットフォーム開発ツールとは異なり、「最大公約数」のエクスペリエンスで妥協することはありません。FireMonkeyは、ユーザーインターフェイス、データベース、ネットワーク通信、デバイス間通信などの強力なクロスプラットフォームライブラリを提供するとともに、必要に応じてネイティブプラットフォームへのフルアクセスも可能にしています。
複数プラットフォーム向けにそれぞれ別個のUIを設計する作業は、アプリケーション設計の中で最も時間のかかる工程です。FireUIマルチデバイスデザイナを用いれば、マスターフォームのUIを設計したら、これを継承し、プラットフォームごとのカスタマイズが可能になります。これにより、時間を浪費する重複的な作業から解放され、マスターフォームをベースにデバイスごとに微調整するというパラダイムシフトが実現します。
C++Builderのモバイル開発機能
FireMonkeyフレームワークを用いれば、単一のC++コードを記述することで、デスクトップ、タブレット、モバイルといった複数のデバイス、OS環境向けのネイティブアプリケーションを構築できます。
効率的なデータアクセスを実現するFireDAC
C++Builderでは、エンタープライズデータへのアクセスも、FireDACと呼ばれるコンポーネントライブラリによってサポートしています。コード中心の他のデータアクセスアプローチと異なり、アクセスするデータベースやデータセット、データ項目の抽象化が行われており、InterBase、SQLite、MySQL、SQL Server、Oracle、PostgreSQL、IBM DB2、Informix、SQL Anywhere、MongoDBなど、主要なデータベースに共通のアクセス方式を使用することができます。
さらに、「Enterprise Connectors」と呼ばれるオプション製品を組み合わせれば、130以上の広範なクラウドサービス/エンタープライズサービスに、FireDACのインターフェイスによりアクセスが可能となります。
C++Builderのデータアクセス機能
FireDACは、多様なデータベースに対し、コンポーネントによる共通のアクセス方式を提供します。
IoTサポートもコンポーネントで実現
C++Builderでは、データ通信、Bluetoothなどを用いたデバイス間通信、IoTデバイスとの通信などもコンポーネントによってサポートしています。IoTデバイスとの接続をサポートするThingConnectコンポーネントは、ホームオートメーションからフィットネスガジェット、医療機器、環境センサーまで、多様なデバイスに対応しています。
C++Builderを用いれば、データ通信の詳細なコードを記述することなく、コンポーネントによる効率的な開発によって、iOS、Android、Windows、macOS向けIoTソリューションの構築が可能です。
C++BuilderのIoTサポート
C++Builderが提供するIoTサポート機能のひとつBeaconFenceを用いれば、ビーコンによる屋内(および屋外)位置追跡を容易に実現できます。
C++BuilderでC++言語を楽しく、効率的に学ぼう
C++言語は、幅広い産業分野で利用されているプロフェッショナル向けのプログラミング言語です。C++を習得することは、ソフトウェア開発スキルを大いに高めますが、越えなければならないハードルも決して低くはありません。
C++Builderは、使いやすい統合開発環境、コンポーネントによるビジュアル開発によって、C++学習のハードルを下げてくれます。C++Builderを用いれば、美しいユーザーインターフェイスをすばやく構築し、中心となるロジックのコーディングに集中できるので、学習すべきポイントを集中させ、すぐに結果を出すことができます。結果がすぐに得られれば学習意欲も高まりますので、継続してC++を学び、より早く言語を習得することができるでしょう。
新たにリリースされたCommunity Editionを用いれば、個人やスタートアップ企業の方であれば、無料でマルチデバイス開発を行えます(商用開発には制限があります)。今すぐC++Builderでプログラミングを学びましょう。
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